『ネタニヤフ調書 汚職と戦争』

イントロダクション&ストーリー
はじまりは小さな贈り物だった…。極秘リークされたイスラエル首相の警察尋問映像により<恐るべき真実>が暴かれる!
いまなお終わりの見えないガザ・イスラエル紛争。この紛争のキーマンとされるのがカリスマ的なリーダーシップを持ちながらも、強硬的な政治姿勢で物議を醸すイスラエル首相ベンヤミン・ネタニヤフだ。
しかし、彼が在任中に刑事起訴された史上初のイスラエル首相であることを国外の多くの人々は知らない。彼の汚職捜査の過程で秘密裏に制作チームにリークされた未公開の警察尋問映像には、メディアや財界との贈答や利益供与の実態が記録されていた…。
アカデミー賞®長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した『「闇」へ』(07)や同賞ノミネートの『エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?』(06)などで知られ、米エスクァイア誌にて「現代で最も重要なドキュメンタリー作家のひとり」と称されるアレックス・ギブニーが製作総指揮を務め、ユダヤ人の父とドイツ人の母の間に生まれ、『アニタ 反逆の女神』(24)の公開も控えるアレクシス・ブルームが監督を手掛けた本作は、ネタニヤフが有罪回避のため極右勢力と結託し、長期政権の下でイスラエルを分断し民主主義を危機にさらした過程を描き出す。
警察の尋問に対して高圧的に接し、自分に対する疑惑を徹頭徹尾「嘘」だと決めつけ、時には余裕たっぷりに映画『ゴッドファーザー』の有名なセリフ「友を近くに置け、敵はもっと近くに置け」を引用する、普段のニュースでは見ることのできない人間ネタニヤフの姿を垣間見ることができる。また、彼の汚職がいかに国家の腐敗を招いていったのかを証言するのは、元イスラエル首相、イスラエルの国内諜報機関シンベトの元長官、ネタニヤフの元広報担当、著名な国内の調査報道ジャーナリストたちだ。
本国では上映禁止、親イスラエルの米国でも劇場公開されていないにも関わらず、国際的に注目を集め、昨年度のアカデミー賞ショートリストに選出されるなど大きな話題を呼んだ。人間はなぜこうも権力に弱いのか? 権力者の“力への欲望”を白日の元に曝す、いま必見のドキュメンタリー!
はじまりは小さな贈り物だった…。
極秘リークされたイスラエル首相ベンヤミン・ネタニヤフとその側近たちの警察尋問映像には、ニュースの裏側にある彼らの隠された私生活が描き出されていた。その疑惑が公になったとき、ネタニヤフの権力への欲望は肥大化し、やがて恐るべき悲劇がもたらされる。
『ネタニヤフ調書 汚職と戦争』時系列
ネタニヤフ首相の捜査はいつ始まったのか?
ベンヤミン・ネタニヤフに対する刑事捜査は2016年12月に正式に開始された(非公式には2015年に始まっていた可能性がある)。容疑は贈収賄、詐欺、背任で、首相本人、直系家族、側近や友人など数十名が警察の取り調べを受けた。重要人物の中には最大7回取り調べられた者もいる。
案件ごとに異なる警察チームが担当し、2019年2月13日、警察は捜査結果をアビハイ・マンデルブリット司法長官に提出。彼がネタニヤフの任命者であることから、起訴が政治的動機によるものという批判は払拭された。報告書は贈収賄、詐欺、背任の「十分な証拠」があると結論づけ、刑事起訴を勧告した。
起訴はいつ行われたか?
2019年11月21日、司法長官マンデルブリットは、以下の事件でネタニヤフを起訴した。
ケース1000:詐欺および背任
ケース2000:詐欺および背任
ケース4000:詐欺、背任、贈収賄
こうして、ネタニヤフは在任中に刑事起訴された初のイスラエル首相となった。
それぞれの起訴内容の詳細について
ケース1000
ネタニヤフは、映画プロデューサーのアーノン・ミルチャンや豪州の大富豪ジェームズ・パッカーから、葉巻やシャンパンなど総額約30万ドル相当の個人的贈り物を受け取ったとされている。見返りとして、ミルチャンに有利な税法改正を推進したり、米国ビザの件で便宜を図った疑いがある。
ケース2000
ネタニヤフは大手イスラエル紙「イェディオット・アハロノット」発行人アーノン・モーゼスと、競合紙の流通を制限する代わりに好意的報道を受けるという取引を画策したとされる。実際には取引は成立しなかったが、約束を交わす様子が録音され、世論を揺るがした。
ケース4000
通信大手ベゼック社のオーナー、シャウル・エロヴィッチが所有するニュースサイト「ワラ(Walla!)」の報道内容や人事に、ネタニヤフと家族が不当な影響力を行使したとされている。その見返りに、ベゼックの巨額取引を政府規制で承認し、エロヴィッチに最大5億ドルの利益をもたらした疑いがある。
裁判はいつ始まったか?
数度の延期を経て、2020年5月24日にエルサレムで開廷した。2025年10月現在も継続中。
登場人物
| 本作に登場する人物一覧 |
ベンヤミン·ネタニヤフ
イスラエル首相
ラヴィヴ·ドゥルッカー
イスラエルの調査報道記者
ニムロッド·ノヴィク
故シモン·ペレス首相の元上級顧問
ハダス·クライン
A・ミルチャンの元アシスタント
ウズィ·ベラー
子供時代の友人
エフード·オルメルト
イスラエル元首相(2006–2009)
ニール·ヘフェツ
元選挙参謀
メニ·ナフタリ
元官邸ハウスキーパー
アヴィ·アルカライ
元「Walla!」編集長
サミ·アブ·シェハデ
元国会議員
アミ·アヤロン
元シンベト長官
ギリ·シュワルツ
キブツ(農業共同体)・べエリの住民
ミリアム·アデルソン
イスラエル系アメリカ人実業家
シェルドン·アデルソン
故·カジノ王
イタマル·ベン-グヴィル
国家安全保障大臣
シャウル·エロヴィッチ
イスラエル最大手の通信事業者
シャニ・コスカス
ハウスキーパー·料理人
ヤイル·ラピド
イスラエル野党党首·元財務大臣
アーノン·ミルチャン
映画プロデューサー
(代表作『ボヘミアン·ラプソディー』『レヴェナント蘇えりし者』)
サラ·ネタニヤフ
イスラエル首相の妻
ヤイル·ネタニヤフ
イスラエル首相の長男
ヨナタン(ヨニ)·ネタニヤフ
ネタニヤフの兄
ベザレル·スモトリッチ
イスラエル財務大臣
ドナルド·トランプ
アメリカ大統領
メラニア·トランプ
アメリカ大統領夫人
スタッフ
プロデューサー
アレックス·ギブニー
Alex Gibney
Esquire誌にて「現代で最も重要なドキュメンタリー作家」と称されるドキュメンタリー映画監督・プロデューサー。アカデミー賞、エミー賞、グラミー賞、ピーボディ賞、デュポン・コロンビア賞など多数受賞。2024年には、ニュース&ドキュメンタリー・エミー賞生涯功労賞を受賞している。
代表作
『「闇」へ 』
監督、2008年、アカデミー賞 長編ドキュメンタリー賞受賞
『GONZO~ならず者ジャーナリスト、ハンター・S・トンプソンのすべて~』
2008年、サンダンス映画祭ドキュメンタリー部門グランプリ、全米脚本家組合賞ドキュメンタリー脚本賞ノミネート
『エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか? 』
2006年アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞ノミネート
「最大の過ち: 神のみもとの沈黙」
エミー賞3部門受賞
監督·プロデューサー
アレクシス·ブルーム
Alexis Bloom
南アフリカ出身でユダヤ人の父とドイツ人の母の間に生まれ、ユダヤ教として育てられた。ナショナルジオグラフィック、BBCワールド、PBS「フロントライン」で活動後、2014年にプロデューサーとして参加した『ストーリー・オブ・ウィキリークス~正義と犯罪の狭間』でPGA賞受賞。2017年HBO『ブライト・ライツ:キャリー・フィッシャーとデビー・レイノルズ主演』を監督、エミー賞監督賞にノミネート。2019年『Divide and Conquer: The Story of Roger Ailes』を監督。10月25日には、イギリスのロックバンド「ローリング・ストーンズ」のミューズとして知られるアニタ・パレンバーグの波乱に満ちた人生を描いたドキュメンタリー『アニタ 反逆の女神』が日本でも公開される予定だ。
プロデューサー
ラヴィブ·ドルッカー
Raviv Drucker
イスラエルの有力な調査報道ジャーナリスト、政治評論家。チャンネル13で夜のニュース番組と長尺調査番組「Hamakor」を担当。汚職追及の実績と表現の自由擁護で知られる。
プロデューサー
カラ·エルヴァーソン
Kara Elverson
エミー賞2度ノミネートのドキュメンタリー制作者。近年の作品にHBO『スタックス: ソウルズビル U.S.A..』(2024年)、『Agents of Chaos』(2020年、監督アレックス・ギブニー)、『USA v Chapo: The Drug War Goes on Trial』、『困った時のロジャー・ストーン』(2017年、Netflix)など。
監修編集
アンディ·グリーヴ
Andy Grieve, ACE
ジグソー・プロダクションズで10本の映画を編集。代表作に『ストーリー・オブ・ウィキリークス 正義と犯罪の狭間』『ランス・アームストロング ツール・ド・フランス7冠の真実』『ゴーイング・クリア: サイエントロジーと信仰という監禁』『Zero Days』『The Inventor』『巨大製薬会社の陰謀 / THE CRIME OF THE CENTURY』など。『キューティー&ボクサー』(2014年アカデミー賞候補)、『スタンダード・オペレーティング・プロシージャー』(2008年ベルリン映画祭グランプリ)なども担当。
編集
ハリル·エフラト
Halil Efrat
イスラエル系アメリカ人の編集者・監督・脚本家。


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