• レッド・ロケット
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映画『レッド・ロケット』

映画『レッド・ロケット』
6/11(土)[東京]ユーロスペース、ポレポレ東中野、[大阪]シネマート心斎橋、第七藝術劇場ほか全国公開
監督:ショーン・ベイカー(『タンジェリン』『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』)/ 脚本:ショーン・ベイカー、クリス・バーゴッチ
撮影:ドリュー・ダニエルズ(『WAVES/ウェイブス』)/ 美術:Stephonik / 編集:ショーン・ベイカー / 出演:サイモン・レックス、ブリー・エルロッド、スザンナ・サン ほか
(2021年/アメリカ/英語/130分/カラー/シネスコ/5.1ch/原題:Red Rocket/R-18+/日本語字幕:岩辺いずみ)
提供:トランスフォーマー、Filmarks 配給:トランスフォーマー
© 2021 RED ROCKET PRODUCTIONS, LLC ALL RIGHTS RESERVED.

INTRO&STORY

ご都合主義でうすっぺら、
口先だけの男マイキーを主役に、
アメリカ社会の片隅で生きる人々を鮮やかに描いた、
ひとクセありのヒューマンドラマ

「ポルノ界のアカデミー賞を5回逃した」ポルノ俳優だったが、今は落ちぶれ無一文で故郷テキサスへ舞い戻ったマイキー。別居中の妻レクシーと義母リルに嫌がられながらも彼女たちの家に転がり込むことに成功したが、17年のブランクのおかげで仕事はない。昔の つて ・・ でマリファナを売りながら糊口を凌いでいたある日、ドーナツ店で働く少女と出会い再起を夢見るが…。2016年のアメリカ・テキサスを舞台に、社会の片隅で生きる人々の姿を鮮やかに描いた、ひとクセありのヒューマンドラマ。

A24北米配給!アカデミー賞©にノミネートされた『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』で全世界の映画ファンから熱狂的支持を集めたショーン・ベイカー監督の新境地。

『タンジェリン』『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』など、アメリカ社会の「声なき声」を掬い上げ丁寧に描くことに定評のあるショーン・ベイカー監督がパンデミックの最中少数精鋭のクルーで作り上げたのは、ご都合主義でうすっぺら、口先だけの元ポルノスターを主役とした、監督のキャリア中最も想定外の本作だった。主演は、過去のポルノ出演映像が流出したことで一時は表舞台から姿を消していたこともあるなど、マイキー役とリンクするかのようなスキャンダラスな経歴を持つサイモン・レックス。カンヌ国際映画祭コンペティション部門で上映されるやいなや彼の熱演は大きな話題を呼んだ。周りを固めるのは、舞台女優のブリー・エルロッドと、地元テキサスに暮らす演技未経験の人々、そして、LAの映画館のロビーでベイカー監督にスカウトされたストロベリー役のスザンナ・サン。本作が初の長編映画出演となるサンは、「次なる大物」として数々のメディアで大きく取り上げられ、注目を集めている。 「物語が本当に起こる場所で撮りたい」という監督の意図のもと、起用されたのはテキサス出身の撮影監督で、『イット・カムズ・アットナイト』や『WAVES/ウェイブス』などトレイ・エドワード・シュルツ監督とのタッグで知られるドリュー・ダニエルズ。テキサス特有の色、湿度、土っぽさを表現するため16mmフィルムを使用し、粗削りでありながらも美しくエモーショナルな景色を映し出している。

CAST&CREW

CAST

  • サイモン・レックス

    マイキー・セイバー
    元ポルノ俳優

    サイモン・レックス
    Simon Rex

    1974年カリフォルニア州サンフランシスコ生まれ。18歳でモデルデビューの後、MTVのVJとして活躍。その後「フェリシティの青春」(1998-2002)、「ジャックとジル」(1999-2001)、「恋するマンハッタン」(2002-2006)に俳優として出演し人気を博すも、過去に出演したポルノビデオの流出で「恋するマンハッタン」を1シーズンで降板。テレビから映画へ移行し『最'狂'絶叫計画』以降のシリーズ計3作に出演。ほか最近ではファビオ・フレイ監督の『My Dead Dad(原題)』(2021)や、ケイティ・アセルトン監督の『Mack & Rita(原題)』(2022)でダイアン・キートンとテイラー・ペイジと共演している。また、自身の分身である「ダート・ナスティ」として、2007年にラップ・コメディ・アルバムをリリースして以降、世界中に熱狂的なファンを持つ。

  • ブリー・エルロッド

    レクシー
    マイキーの妻

    ブリー・エルロッド
    Bree Elrod

    カンザス州トピカ出身。アラン・リックマン演出の一人芝居「My Name Is Rachel Corrie(原題)」をはじめ、数々の舞台で活躍。「夜中に犬に起こった奇妙な事件」、「星ノ数ホド」、「欲望という名の電車」、「十二夜 Twelfth Night」、「エンジェルス・イン・アメリカ」、「二人の貴公子」などに出演。ニューヨークのヘルズキッチン界隈に暮らす9~18歳の子供たちのための演劇プロジェクト「52ndストリート・プロジェクト」にも携わっている。映画ではマーティン・スコセッシ監督作『シャッター・アイランド』(2009)に出演。アクターズ・センターとアクターズ・エクイティ・アソシエーションのメンバーでもあり、ニューヨーク大学大学院で美術学修士を取得している。

  • スザンナ・サン

    ストロベリー
    ドーナツ店アルバイト

    スザンナ・サン
    Suzanna Son

    1995年、モンタナ州ハミルトン生まれ。ワシントンで育ち、シアトルのコーニッシュ芸術大学でクラシック音楽とミュージカルを学ぶ。ロサンゼルスを拠点とする俳優、ミュージシャン。映画館のロビーでショーン・ベイカー監督にスカウトされ、本作が初の長編映画出演となる。ザ・ウィークエンドが製作・主演を務め、リリー=ローズ・デップとBLAKCPINKのジェニーが共演することで大きな話題を呼んでいるHBOドラマ「THE IDOL(原題)」(2023年配信予定)に出演している。

CREW

CREW
  • 監督・脚本・編集
    ショーン・ベイカー
    Sean Baker

    1971年、ニュージャージー州生まれ。ニューヨーク大学映画学科卒業後、2000年に『Four Letter Words(原題)』で長編映画監督デビュー。NYの中華料理店の配達員として働く不法移民の中国人男性を描いた『Take Out(原題)』(2004)と路上でブランドコピー商品を売って生活する男を描いた『Prince of Broadway(原題)』(2008)の両作がインディペンデント・スピリット賞のジョン・カサヴェテス賞にノミネートされ、『チワワは見ていた ポルノ女優と未亡人の秘密』(2012)はインディペンデント・スピリット賞でロバート・アルトマン賞を受賞。全編iPhoneで撮影したことで注目を集めた『タンジェリン』(2015)はサンダンス映画祭で初上映され、インディペンデント・スピリット賞の最優秀助演女優賞、ゴッサム賞の観客賞とブレイクスルー演技賞を獲得したほか、数々の映画賞を受賞した。『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』(2017)はカンヌ国際映画祭で初上映され、A24が全米配給権を獲得。ウィレム・デフォーがアカデミー賞®助演男優賞にノミネートされ、ニューヨーク映画批評家協会賞で最優秀監督賞を受賞するなど世界中で称賛を浴びた。

  • 撮影監督
    ドリュー・ダニエルズ
    Drew Daniels

    テキサス州出身の撮影監督。SXSWで審査員特別賞および観客賞を受賞した『クリシャ』(2015)や、『イット・カムズ・アット・ナイト』(2017)、『WAVES/ウェイブス』(2019)の撮影監督を務め、トレイ・エドワード・シュルツ監督とのタッグで高い評価を得ている。サンダンス映画祭で最優秀短編賞を受賞した『Thunder Road(原題)』(2016)、アカデミー賞®短編映画賞を受賞した『SKIN 短編』(2018)、HBOドラマ「ユーフォリア/EUPHORIA」(2019-)の数エピソードやAmazonドラマ「アウターレンジ ~領域外~」(2022-)など、世界各地で長編、短編、ミュージックビデオ、CMなど幅広く撮影。Variety誌の「撮影監督トップ10」やアメリカン・シネマトグラファーの「ライジング・スター2020」にも選出されている。

  • 美術
    Stephonik

    長編映画やCM、ビデオゲームのプロダクション・デザイナー、作曲家、衣装デザイナー、フォトグラファーとして幅広く活躍。ヴォーグ、ウォールストリート・ジャーナル、アディダス、マッチ・ミュージックをクライアントに持つ。ショーン・ベイカー監督の『Prince of Broadway(原題)』で長編映画に初参加し、美術と衣装を1人で担当した。その後ベイカー監督の『タンジェリン』では音楽を、KENZOの短編ファッション・フィルム『Snowbird(原題)』(2016)では音楽と美術を、『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』でも美術を手掛けている。

COMMENT

(敬称略・五十音順)
  • 一回目、まいったな、全然まともな人いないじゃんと頭を抱えた。二回目を見たら工場の煙のたなびく空がまぶしいくらいに美しかった。三回目、最後の主人公の表情で涙が出て来たけど、何に涙したのか自分でもわからない。
    内田春菊
    (漫画家)
  • マイキーのこと、俯瞰で見ていられない。多用されるズームインショットに首根っこを掴まれて、いつの間にか応援してしまう。やだやだ。
    大九明子
    (映画監督)
  • 16mmで撮られたちっぽけな男のちっぽけなサクセスストーリー!!好きになって嫌いになって好きにさせる、なんて魅惑的な映画なんだ!
    柿沼キヨシ
    (映像作家/おまけの夜の人)
  • 日本とアメリカ、ポルノとAVの違いはあれど、同じ裸を仕事にする身、しかも旬を過ぎたロートル監督兼男優としては、イタい話でした。それでもマイキー頑張れよ、と見ていたら、えらいことになりました。ああ、イヤだ…
    でも、最後にもう一発当てて欲しいですけどね、マイキーには。
    カンパニー松尾
    (AV監督)
  • いわゆる“有害な男性性”に満ちあふれている……のだけど、「正しさ」では太刀打ちできない業や生命力が描かれていて、笑わせられ、圧倒され続けた130分でした。
    清田隆之
    (文筆業・桃山商事代表)
  • ダメダメ男のダメダメ奮闘記。それを好意的に観ることになろうとは! 最後の最後までダメダメ過ぎるこの脳天気さは、“苦さ”を超越した渇いた“甘さ”を分泌する。 テキサスもドーナツも好みではないが、この圧倒的ダメダメ人間讃歌には、自分でも納得がいかないくらいにヤラれてしまう。 やっぱり、ショーン・ベイカー監督は、僕の好物なのかもしれない。
    小島秀夫
    (ゲームクリエイター)
  • ストレートな展開なのに、ずっと虚無感がある。
    それを作り出すのは一体何なのか。1つの問いが充満し続けていた。
    武田砂鉄
    (ライター)
  • 映画はときに、絶対に愛せないはずの人を熱烈に愛させる。
    私たちが、マイキーという“最悪な男”にいつしか歪んだ愛情を抱いてしまうように。
    月永理絵
    (ライター、編集者)
  • AV男優やホストやAV監督や夜職のキャッチ(スカウトマン)になろうとしてる人は、なる前に絶対に観といたほうがいい。AV女優やキャバ嬢や芸能人や風俗嬢になりたい人も、かならず将来この男に実際に会うことになるから、会う前に観ておかなければならない。それはさておき映画としても傑作でした。
    二村ヒトシ
    (AV監督/元AV男優)
  • 最初から最後までなにひとついいところがないのになぜか憎めない。清々しいほどにクズな男のチ〇ポバカ一代
    深爪
    (コラムニスト)
  • ドーナツの穴は食べられるが、この男は食えない。そして、ドーナツほど甘くない様々な人生を垣間見たのでした。
    溝呂木一美
    (ドーナツ探求家&イラストレーター)
  • 夢や希望から遠い、社会の周縁に生きる人たちを、こんなにも愛おしく、馬鹿らしく、魅力的に写す映画はほかにない。
    門間雄介
    (ライター/編集者)
  • 主人公マイキーはアンチ・ヒーローなんかじゃない。 彼の最低な面を映画は隠さない。 でも悪びれない彼の不思議な魅力も隠さない。 あらゆる人の中に潜む輝きをすくいとって肯定する、ショーン・ベイカーの映画はいつも人間讃歌だ。
    山崎まどか
    (コラムニスト)
  • サイテー・滑稽・情けない!ブレッソン流キャスティングとファンシーなシネマカラーで包み込んだ(非)喜劇。
    山村浩二
    (アニメーション作家・絵本作家)

REVIEW

  • 陽気で、最低で、魅力的!とてつもない映画だ。
    ジャド・アパトー
    (映画監督/『40歳の童貞男』)
  • 今年最もエキサイティングな映画!これを小さな画面で観るなんてあり得ない。 肝の座ったキャストたち、美しいショット。そしてものすごく生き生きとしたサイモン・レックスに目が釘付けになる。
    サフディ兄弟
    (映画監督/『グッド・タイム』『アンカット・ダイヤモンド』)
  • 愉快でエッジーでセクシーで大雑把な、手に負えない崖っぷちペテン師についての人間観察だ。 70年代クラシックドラマのような素敵なバイブスがあって、好きになれないけどスキャンダラスなキャラクターを映画の主人公にすることを恐れていない。
    エドガー・ライト
    (映画監督/『ラストナイト・イン・ソーホー』)
  • 自由奔放で、マジックアワーの明かりに祝福されている。
    ベイカー監督の最高傑作のひとつだ。
    Roger Ebert.com
  • 『タンジェリン』と『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』でのガラクタ的な美しさを本作でも発揮させ、ショーン・ベイカー監督はビビッドな環境と魅力的で風変りなキャラクターに再び焦点を当てた。
    Screen International
  • 今年ベストの1本!
    VARIETY
  • 最高に楽しくて、野蛮なほどスマートで、まぶしいほど風刺的で、最後には心をつかまれる
    Mashable
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