CAST

ダニエル:アンジュ・ダルジャン

フランス生まれ。本作が映画初出演となる。

ミシェル・ゴンドリーが語るアンジュ・ダルジャン

キャスティング・ディレクターの二人が素晴らしい仕事をしてくれたおかげで、彼に出会えました。二人は約60人もの男の子たちと会いました。私が初めて話をしたときから、アンジュは魅力的でした。演じるキャラクターとも似ていたし、彼は60年代の映画が好きで、現代のカルチャーに関心がなかったのです。あるシーンを演じてもらったとき、大惨事が起きました。彼は小さな舞台経験がありましたが、その時の演技は、ただセリフを棒読みするだけのものでした。その時点では彼が役に選ばれないことは明白で、私が彼の小さな顔を見ると、とても落ち込んでいて、心が痛みました。けれど、ダニエル役の候補に考えていた別の子が、映画『War of the Buttons』(11)に出ていることが分かったのです。私たちはもう一度アンジュを呼び戻してスクリーンテストを行いました。このときの彼は素晴らしい出来でした。アンジュはある点ではとても成熟していましたが、非常にナイーブで、人に対しとても親切な子だと思います。

テオ:テオフィル・バケ

フランス生まれ。本格的な映画出演は本作が初めてとなる。

ミシェル・ゴンドリーが語るテオフィル・バケ

私とキャスティング・ディレクターは、彼が学校から出てくるところを見つけたのです。何と、テオフィルも『War of the Buttons』に出ていたのです。それがわかったのは後になってからですが。また、彼はモーリス・バケ(※)の孫です。「私の好きな映画は『素晴らしい風船旅行』だ」と伝えたのですが、彼はその映画を観たことがありませんでした。彼の普段のスタイルはもっとゴシック・パンクで、ガソリンが身に着けるマイケル・ジャクソン風のレザー・ジャケットやスリップ・オンにとても困っていました。アンジュとテオフィルは会った直後からとても意気投合し、すぐにフル・スロットルになりました。
※モーリス・バケ(1911年~2005年)フランスの俳優。出演作に『素晴らしい風船旅行』(60)、『天使』(82)などがある。

ローラ:ディアーヌ・ベニエ

フランス生まれ。本作が映画初出演となる。

ミシェル・ゴンドリーが語るディアーヌ・ベニエ

彼女も、アンジュと同じくキャスティングで見つけました。彼女はとてもすてきでした。矯正をしていたのですが、私たちはそのままにすることを決めました。どちらにしろ、彼女はそれを外せなかったでしょうけどね!

STAFF

監督・脚本:ミシェル・ゴンドリー

1963年、フランスのヴェルサイユに生まれる。祖父に、世界初の単音シンセサイザー“クラヴィオリン”を生み出した発明家のコンスタン・マルタンを持つ。ジャズを愛する電子技術者の父のもと、音楽に浸かった少年時代を過ごし、将来は発明家か画家になることを夢見ていた。セーヴルのリセでタピストリーの上級技術者免状を取得した後、パリのインテリア専門学校エコール・オリヴィエ・ド・セールに通う。1983年、友達とロックバンドOui Ouiを結成し、ドラムを担当。自らミュージック・ビデオを監督していたところ、それがビョークの目に留まり、「Human Behavior」の監督を依頼される。以降、彼女のミュージック・ビデオを数多く制作する。その他にも、ダフト・パンク、ザ・ホワイト・ストライプス、ケミカル・ブラザーズ、レディオヘッド、ベックなど数々の大物ミュージシャンのビデオを監督し、高い評価を受ける。同時に、リーバイス、コカ・コーラ、ナイキ、GAPなど多くのTVコマーシャルも手がけ、多くの賞を受賞。2001年、『ヒューマンネイチュア』で長編映画監督デビュー。監督第2作の『エターナル・サンシャイン』(04)では脚本を務めたチャーリー・カウフマンがアカデミー賞脚本賞を受賞する。アニメーションを多用したユニークな映像が注目を集めた『恋愛睡眠のすすめ』(06)は、ニューヨークのソーホーで関連展が開催された。その後もジャック・ブラック主演のコメディ『僕らのミライへ逆回転』(08)、ヒーローアクション『グリーン・ホーネット』、ブロンクスの若者たちと共同で作り上げたインディペンデント映画『ウィ・アンド・アイ』(12)、ボリス・ヴィアンの青春小説を映画化した『ムード・インディゴ うたかたの日々』(13)と次々に新作を発表する。音楽ドキュメンタリー『ブロック・パーティ』(06)や、自身の伯母に密着した『心の棘』(10)、言語学者ノーム・チョムスキーと自身の会話をアニメーションで綴る『背の高い男は幸せ?:ノーム・チョムスキーとのアニメーション会話』(13)など、ドキュメンタリーも手がけている。また、東京を舞台にした短編を集めたオムニバス映画『TOKYO!』(08)ではその中の一つ「インテリア・デザイン」を監督。2014年には東京都現代美術館で「ミシェル・ゴンドリーの世界一周展」が開かれ、大盛況となった。夢あふれるキュートでユニークなゴンドリーワールドは、映画、アート、ミュージック・ビデオ、CMなど様々な分野を横断しながら、今も世界を魅了し続けている。