STAFF スタッフ
監督
ベン・ウィートリー
1972年、エセックスのビレリッケイに生まれる。北ロンドンのハバーストック・スクールに通い、そこで脚本家のエイミー・ジャンプと出会う。短編映画の監督やアニメーターとして、カルトファンを獲得。チャンネル4で放映されたTVシリーズ「Modern Toss」(08)の実写セクションの監督を務めたほか、BBCのTVシリーズ「Time Trumpet」(06)、「Shuffle」(07)、「The Wrong Door」(08)、「Ideal」(09)なども手がけた。2009年、長編デビュー作である『Down Terrace』をホームタウンであるブライトンにて8日間で撮影し、同作はファンタスティック・フェストとレインダンス映画祭でそれぞれ賞を獲得した。2011年にはスリラー映画『キル・リスト』を監督。4作品にわたって共に脚本や編集を手がけることとなるエイミー・ジャンプとの映画製作の第一作目であり、富川国際ファンタスティック映画祭、エンパイア賞、英国インディペンデント映画賞でそれぞれ受賞を果たす。長編3作目となった『サイトシアーズ ~殺人者のための英国観光ガイド~』(12)ではキャストにアリス・ロウとスティーヴ・オーラム、脚本にエイミー・ジャンプを迎えた。2012年のカンヌ国際映画祭・監督週間に出品され、イブニング・スタンダード英国映画賞ではベスト・コメディー賞を受賞。次作のサイケデリック史劇スリラー『A Field in England』(13)は12日間でモノクロ撮影を敢行。イギリスで初めて映画館・VOD・DVD・地上デジタル同時リリースという革命的な配給戦略を取った作品となった。同作はカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭で審査員特別賞を受賞。また、2013年のフィルム4・フライトフェスト・ヴァラエティ賞を獲得。2014年、自身が子どもの頃からファンだったTVシリーズ「ドクター・フー」のシーズン8、1~2話を担当。待機作に、初のアメリカ映画『Freakshift』、HBOによるSFのTVシリーズ「Silk Road」がある。現在は、マーティン・スコセッシ製作総指揮の『Free Fire』や、アンリ=ジョルジュ・クルーゾーの名作『恐怖の報酬』(53)のリメイクなどの製作に取り組んでいる。
脚本
エイミー・ジャンプ
『キル・リスト』(11)、『サイトシアーズ ~殺人者のための英国観光ガイド~』(12)、『A Field in England』(13)など独特の英国スリラーであるベン・ウィートリー監督作を手がけ、共同で編集も務めている。『サイトシアーズ ~殺人者のための英国観光ガイド~』では英国インディペンデント映画賞の脚本賞を受賞したほか、多くの映画祭でノミネートを果たす。ピーター・ストリックランド監督作『The Duke of Burgundy』(14)では製作総指揮を務めており、ベン・ウィートリーの最新作『Freakshift』では脚本を、同じくウィートリーの新作『Free Fire』(16)では共同脚本・共同編集を務めている。
製作
ジェレミー・トーマス
17歳で映画業界のキャリアをスタートさせ、ケン・ローチをはじめとする著名な映画監督らと編集助手として仕事をともにする。1974年、フィリップ・モーラ監督の『デニス・ホッパーのマッド・ドッグ・モーガン/賞金首』(76)で初めて製作を務めた後、レコーデッド・ピクチャー・カンパニーを創設。以来、イエジー・スコリモフスキ監督作『ザ・シャウト/さまよえる幻響』(78)、ニコラス・ローグ監督作『ザ・ジェラシー』(79)、大島渚監督作『戦場のメリークリスマス』(83)など、多くの際立った映画を製作している。1986年、『ラストエンペラー』(87)ではベルナルド・ベルトルッチ監督と仕事をし、同作はアカデミー賞®で作品賞を含む9部門で受賞を果たした。その後もインディペンデント映画のプロデューサーとして、デヴィッド・クローネンバーグ監督作『裸のランチ』(91)、『クラッシュ』(96)、『危険なメソッド』(11)、北野武監督作『BROTHER』(00)、ジョナサン・グレイザー監督作『セクシー・ビースト』(00)、デヴィッド・マッケンジー監督作『猟人日記』(03)、リチャード・リンクレイター監督作『ファーストフード・ネイション』(06)、三池崇史監督作『十三人の刺客』(10)、オスカーノミネートも果たしたヨアヒム・ローニング&エスペン・サンドベリ監督作『コン・ティキ』(12)、ジム・ジャームッシュ監督作『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』(13)、マッテオ・ガローネ監督作『Tale of Tales』(15)など多様な作品を生み出してきた。他にも、スティーヴン・フリアーズ、イエジー・スコリモフスキ、フィリップ・ノイス、ヴィム・ヴェンダース、テリー・ギリアムなど名だたる監督たちと実績を残している。1993年から1997年までは英国映画協会の会長を務め、2000年に名誉会員となった。また、東京国際映画祭、サン・セバスティアン国際映画祭、ベルリン国際映画祭、カンヌ映画祭において審査員長を務めており、映画をひたすら愛している。
衣装
オディール・ディックス=ミロー
80年代から「ドクター・フー」などのTVドラマを中心に活躍。TV映画「プリンス~英国王室 もうひとつの秘密~」(03)ではプライムタイム・エミー賞衣装賞を受賞。98年、TV映画「大いなる遺産」で英国アカデミー賞衣装デザイン賞に輝いた。これまでに『キスキス,バンバン』(05)、『ナイロビの蜂』(05)、『バンク・ジョブ』(08)、『紀元前1万年』(08)、『17歳の肖像』(09)など多くの映画で衣装を手がける。シアーシャ・ローナン主演作『ブルックリン』(15)では英国アカデミー賞を始め5つの賞にノミネートされた。
挿入歌
ポーティスヘッド
1991年より活動するイギリス・ブリストルのバンド。メンバーはジェフ・バーロウ、エイドリアン・アトリー、そしてボーカルのベス・ギボンズの3人で構成されている。『ハイ・ライズ』のサウンドトラックのために、ポーティスヘッドはABBAによる1975年のヒット曲「SOS」―ウィートリーのためにこの終結の魅力と崩壊を表現する曲―の忘れられないカバーを制作した。
音楽
クリント・マンセル
1987年~1996年、ロックバンド“ポップ・ウィル・イート・イットセルフ”のフロントマンとして活躍。その後、ダーレン・アロノフスキー監督と出会い、『π』(98)での映画音楽デビュー。このコラボレーションはアロノフスキーの野心的な次作『レクイエム・フォー・ドリーム』(00)でも続いた。同監督による『ファウンテン 永遠につづく愛』(06)の音楽で、初のゴールデングローブ賞作曲賞へのノミネートを果たす。クリントの主なコラボレーションは、『ファウンテン 永遠につづく愛』でのモグワイのパフォーマンス、『恋と愛の測り方』(10)でのピーター・ブローデリックのボーカル、『イノセント・ガーデン』(13)のエミリー・ウェルスの曲、そしてエリオット・サムナーによるレディオヘッドの「Creep」のカバーなど。アロノフスキー監督との長年のパートナシップに加え、ダークなインディペンデント映画からメインストリームの『サハラ 死の砂漠を脱出せよ』(05)、『スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい』(07)、『ラブ・ダイアリーズ』(08)までクリントは幅広く活動を続けている。その対極で、ダンカン・ジョーンズ監督の『月に囚われた男』(09)、マッシー・ダジェディン監督の『恋と愛の測り方』(10)、ジョン・S・ベアード監督の『フィルス』(13)などの音楽も担当。