長年紛争の続くアフガニスタンへ、平和維持軍としての派兵を続けているデンマーク王国。現地の駐留兵士たちは、タリバンの襲撃から民間人を守るため、無作為に地雷が埋め込まれている地域で命懸けの巡回を続けるなど、精神的に追いつめられる日々を過ごしていた。ある日、巡回中に一人の兵士が地雷で両足を吹き飛ばされ、殉死する事件が起きた。それをきっかけに不満を爆発させ、パニックを起こす兵士らに対し、駐留軍の隊長を務めるクラウス(ピルー・アスベック)は、「明日からは俺も巡回に同行する」と宣言する。隊長として自ら動くことで、国から与えられた使命の重要さを示し、部下たちの士気を高めようとしていたのだ。
一方、母国デンマークでは、クラウスの妻マリア(ツヴァ・ノヴォトニー)が、まだ幼い3人の子供を懸命に育てていた。その日は定期的にクラウスが衛星電話で、家族に電話をかけてくる日。家族も父からの電話を心待ちにしていたが、今夜はかかってこなかった─。
ある日、以前に部隊が助けた民間人の家族が、基地に避難場所を求めてやって来た。彼らは「あなた方は昼間にパトロールしているが、タリバンは夜にやってくる。奴らに協力しないと家族もろとも殺される。助けて欲しい」と告げる。クラウスは、「明日、もう一度パトロールに行く」と約束し、その日は家に戻るよう、家族を説得するのだった。だが、翌日、パトロール部隊を率いてその家を訪ねたクラウスたちは、惨殺された家族の亡骸を発見。クラウスは自分が家族を見殺しにしたと落胆する。しかしその直後、クラウスたちは突如として何者かの攻撃を受ける。一体、敵はどこから攻撃しているのか?敵の位置を掴めぬまま、民家の敷地内で追い詰められる部隊。首に被弾した部下ラッセもすでに虫の息だ。攻撃は閉鎖されている西の第6地区からのようだが、敵兵の視認ができない。「このままでは全滅する。」そう考えたクラウスは、敵が攻撃してきていると思われる第6地区への無線での空爆要請を部下に命ずる。2分後、周囲に轟く爆撃音の後、敵からの攻撃をしのいだクラウスたちは、傷ついた部下を連れて、何とか基地への帰還を果たす。
数日後、基地から司令官と法務官がやって来る。理由は、クラウスの軍規違反だという。先日の襲撃事件でクラウスが命じた空爆の結果、子供を含む11人の罪無き民間人の命が失われていたのだ。司令官命令で強制帰国を命じられたクラウスは、一人デンマークに帰国する。
突然の帰国を喜んだのはクラウスの家族。マリアと3人の幼い子供たちに、しばしの安堵の時が訪れる。特に父の不在を寂しがり、問題ばかり起こしていた長男ユリウスも、この時ばかりは喜びを爆発させるのだった。
後日、クラウスとマリアは、弁護士のマーティン(ソーレン・マリン)から、クラウスはPID〈敵兵の存在確認〉がないまま空爆を命じ、現地の第6地区に住む11人の民間人を殺害した容疑で軍から起訴されたと知らされる。しかも有罪ならば、4年間の懲役だという。マリアは涙ながらにクラウスに「子供たちにはあなたが必要よ」と訴える。
軍事法廷が開廷し、守るべき家族に対する将来への不安と、罪の意識に苛まれるクラウスに、軍の法務官は、容赦ない質問を投げかける。
果たして、クラウスと家族に待ち受ける未来とはー。